奈良の都の妖しい話

君を望む…

美羽子の出産から早二月…幸い後産の処理もうまく終わり、もう今までの生活が送れるようになっていた。

「…ふふっ…。」

「姫、こちらにいらしたのですか。」

「ええ…紫恋の寝顔を眺めていたの。」

「……。」

「…やっぱり、自分の子だもの…可愛くて仕方ない…。」

「…そうですよね…特に今は可愛らしい盛り…。」

「……ねえ、黒矢…。」

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