奈良の都の妖しい話
(…何やっているんだ、俺は…!もしかしたら姫を救えるかも知れないのに…私情で拒むとは………。)

「あら、黒矢?」

「…叔父上…。」

「…まあ、確かに私は貴方の叔父だけど…正直、その呼び方はちょっと…。」

「じゃあ…紺糸さん?」

「…まあ、いいわ。…ねえ、もしかして姫とのことで悩んでた?」

「……!!」

「図星のようね。…まあ、敢えて詳しくは聞かないけど…。あっ、話したかったら話しても良いわよ。」

「いえ…。」

「ふふっ。……実はね、私の愚息達の母も…お姫様なの。」

「えっ!?」

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