奈良の都の妖しい話
「…貴方って本当照れ屋ね。」

「えっ、いや別に俺は…」

「父親に似たのね。」

「…父上に…?」

「ええ。純情で真面目な所も…見た目も。そっくりよ。」

「俺の父上って一体…」

「…帝の皇子。」

「皇子!?」

「そうよ。…とても、素敵な人だったわ。」

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