奈良の都の妖しい話
「何ですって…!藍鈴さん、それは本当なの!?」

「…ええ…望映水鏡で見たし、実際にその場所に行ってみたわ。」

「そんな…」

「姫!しっかり!」

「…黒矢、姫を部屋に。」

「はい。」

(…とうとう…宮様が……嗚呼、何てこと…私はまた大切な人を亡くした…。)

(姫…やはり、望まれてはいなかったとはいえ、背の君となった方を亡くされたから…。…複雑ではあるが…なんと、哀れな…。)

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