奈良の都の妖しい話
「都の方が騒がしいわね…。」
「大仏が完成したそうよ。」
「大仏が?」
「それで、開眼供養を行っているそうですよ。」
「そうなの…。…ねえ、少し見に行かない?」
「えっ」
「行ってらっしゃい、たまには二人きりになるのもいいでしょ。」
「…わかりました。姫、行きましょう。」
「ええ。」
美羽子は娘―紫恋の頭を撫で、黒矢の手を取った。
「大仏が完成したそうよ。」
「大仏が?」
「それで、開眼供養を行っているそうですよ。」
「そうなの…。…ねえ、少し見に行かない?」
「えっ」
「行ってらっしゃい、たまには二人きりになるのもいいでしょ。」
「…わかりました。姫、行きましょう。」
「ええ。」
美羽子は娘―紫恋の頭を撫で、黒矢の手を取った。