奈良の都の妖しい話
その日の夜…

「ふふっ。」

我が子の寝顔を眺めながら、美羽子姫は微笑んでいた。

暫く、静寂が続いていたが…

「姫、入るわよ。」

「あ、藍鈴さん…と黒矢?」

「失礼します。」

「姫。…夜も久しぶりに黒矢と二人きりになったら?」

「えっ!?」

「……。」

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