奈良の都の妖しい話

ようやく、長いような短いような一日が終わった。

「もう・・・こんなに暗くなってる・・・。」

「今日は疲れましたか、姫。」

「うん・・・少し・・・。」

「では、ゆっくり休んでください。それではまた明日・・・。」

「まって、黒矢。」

「はい？」

「・・・今晩だけ、昔みたいに黒矢と寝たい・・・。」

「・・・！！な、何を・・・！」

「お願い・・・何だか眠れなさそうで・・・。」

「・・・。」

「黒矢・・・。」

「・・・しょうがないですね。」

「ありがとう・・・！」

(姫の素直なところってはじめて見たかも・・・それにしてもなんか可愛い・・・いやいや、何を考えているんだ。それより、俺が眠れなさそうだな・・・。)