奈良の都の妖しい話
彼女…いや、彼の名は紫遙。

これでもれっきとした男である。

彼は宮廷で皇帝に使えている知り合いの半妖の武官に頼みこみ、女としてこの後宮で暮らしていた。

皇帝には幸い…なのか、数年たった今も会えていない。

だが…

「…玉環…。」

彼は皇帝よりも会いたい人がいた。

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