奈良の都の妖しい話
「紫遙。」

突然、一匹の蜥蜴が柱から顔を出した。

「…茶紗。」

紫遙がその名を呼ぶと、蜥蜴は柱から飛び降り、青年の姿に変わった。

彼が紫遙の後宮侵入に協力した半妖、茶紗である。

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