奈良の都の妖しい話
「…失礼します…。貴妃様、お茶をお持ちしました。」

「…ありがとう。」

礼を述べながら微笑む彼女はどんなに綺麗な花でも恥じらうかのような美しさがあった。

(うう…私より随分年上なのに…。)

楊貴妃の部屋を出ると、俯きながら美羽子は自室へ戻った。

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