奈良の都の妖しい話
その先に居たのは、隻眼だが、かなりの美貌をもつ彼女の女官。

「貴女はたしか、私の女官…ええと…」

「…紫遙でございます。…久しいわね、玉環。」

「えっ…!?」

彼女は目を見開き、みるみるうちに青ざめた。

「紫遙…さん?…貴方…どうして…?」

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