奈良の都の妖しい話
驚き、硬直した彼女に紫遙は素早く近づき、抱き締めた。

「…あ…。」

「玉環…このままでは君の身が危うい…。…逃げよう。そして…二人で暮らそう。」

「……。」

貴妃は何も言うことが出来なかった。

紫遙は彼女を抱き上げ、その場を去った。

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