奈良の都の妖しい話
「まさか、こんなことになるなんて思わなかったわ…。」

紫遙の腕の中で、貴妃、否…玉環は気だるそうに呟いた。

「十六で寿王の妃になり…二十歳を過ぎて今度は皇帝陛下の貴妃になって…そして今は…。」

「…もう、誰にも渡さない…例え、天帝にも。だから、お前の最後の男は…俺だ。」

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