奈良の都の妖しい話

花の運命(さだめ)

「楊貴妃はどこだ!」

「探せ探せ!」

明けて翌日になったが、楊貴妃を探す軍勢の動きに衰えはなかった。

「…これは、今までの罰ね。やっぱり、逃げていては駄目よ…。」

「何言ってるんだ、玉環。」

「私…彼らの元へ行くわ。」

「馬鹿!…死にたいのか!?せっかくこうして…結ばれたのに…!」

「紫遙さん…。」
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