奈良の都の妖しい話
玉環は紫遙の頭を優しく胸元に抱き寄せた。

「…私は大丈夫…。もう、何も怖くないから…。」

「玉環………一人では逝かせない…。」

紫遙は玉環を抱きしめた。

「駄目よ…これは私だけの罪…」

「俺だって…今まで多くの罪を犯してきた…もう、互いに潮時なんだ…。」
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