奈良の都の妖しい話
「っ…」

目の前に横たわる、黒矢の無残な姿を見て、美羽子は絶句した。

黒矢はほぼ前半分は人、後ろ半分は妖怪の姿となっており、顔は雪のように白かった。

「…まだ、息はあるが…このままだと…。」

「そんな…。」

(黒矢…お願い、目を覚まして…!)
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