奈良の都の妖しい話
「取り敢えず、答えは明日じゅうにしてくれたら良いわ。…お休みなさい。」

「ええ…。」

(黒矢が助かるなら私は…でも…)

美羽子の脳裏に浮かんだのは、もう長い間会っていない娘の紫恋。

「……。」

美羽子は結局、一睡もせず朝を迎えた。
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