奈良の都の妖しい話
「あ・・・・・・ど、どうして母上が・・・?」

「ふふっ、久しぶりに帰ろうと思ったら、綺麗なお姫様がいたから少し話していたんだけど、途中であんたの姿を見て、三人で一緒に話そうって思ってね。」

「・・・成程・・・って、俺が木の上苦手なこと知ってるくせに!!」

「黒矢ったら、もうすぐ二百歳になるんだから、それくらい平気になりなさい!」

「え・・・二百歳・・・黒矢って私よりも百八十歳近く年上だったの?」

「え、あー・・・はい・・・。」

「な・・・さ、さすが半人半妖・・・でも私と同じ年くらいにしか見えないわね。」

「あー、俺たちのように半人半妖の者って、体は百年で五~十歳年をとるんですよ。」

「そ、そうなんだ。え・・・それじゃ、生まれてから一世紀近くたっても子供!?」

「まあ、大体そうですね。」

「わー・・・。」

「そういえば、二人ってどんな関係なの?」

「あー、ただの主従ですよ・・・変な勘違いしないでくださいね、母上。」

「ええー、そうなの?二人ともお似合いなのにー。」

「「・・・・・・」」

「ちょっと、黙らないでよ!」
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