奈良の都の妖しい話
「…で、用って…。」

「姫、油断しないでくださいね。」

「油断…しているつもりはないけど…。」

「いくら人里離れた山奥とはいえこの先もぶじでいられるかどうか…それと…」

「それと?」

「できるだけ俺のそばにいてください。」

「?ええ…。」

(いつもより真剣な顔…。)

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