奈良の都の妖しい話
ガアアアアッ!!

「きゃああ!!」

「玉環!逃げて!」

「あ…あ…」

(足がすくんでしまっている…!)

「玉環!」

グアアアアッ!

紫遙は玉環の腕を掴み、走った。

「あっ!」

「だいじょ…あっ!」

グルルルル…

(…やむを得ない!!)

紫遙は瞬時に淡い紫の毛並みをもつ、虎に変化した。

「紫遙さん!?」
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