奈良の都の妖しい話
「紫遙はそれから暫くして唐からここに来たんですが、唐にいたときは変化できなかったそうです。」

「そうだったの…。」

「白華曰く、明るさを取り戻したのはつい半年前だそうで、数年前は口が聞けないのではと疑うほどだったと…。」

「大丈夫かしら…。」

「え?」

「私のことを、彼女と間違えたこともあったし…」

「大丈夫ですよ、きっと。」

「…ありがと、黒矢。」
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