奈良の都の妖しい話
その後、用があると言ってその場を離れた黒矢の行った方向を美羽子は暫く見つめていた。

「…やっぱり黒兄が好きなんだな。」

「……ええ、そうよ。」

「叶わないとわかっても想い続けるのか…?」

「…貴方には関係無い。」

「まあ、その態度は当然か……。」
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