奈良の都の妖しい話
「…紫遙…。」

「黒兄。何?」

「暫く…唐に行ってもらえないだろうか。」

「…え…唐?…何故?」

「母上から、お前と白華の縁者にあたる妖怪がいるかも知れないと聞いてな…確かめてきてほしい。」

「…どうして私が…白兄に行ってもらうのは駄目?」

「駄目だ。」

「ええ?」

「暫くお前はここを離れる必要がある。…お前と…姫の為に…。」

「!!く、黒兄…。」
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