奈良の都の妖しい話
「紫遙。半妖とはいえ、俺達は妖怪なんだぞ。」

「…わかってる…!」

「わかってない!…これはお前だけの問題じゃないんだ。」

「でもわた…俺は…俺は決して生半可な気持ちで美羽子に…」

バシッ!

「っ!」

「姫の名を軽々しく呼ぶな!…それに気持ちなんて関係無い…俺だって本当は…」

「黒兄……。」

「!あっ…待て!」
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