奈良の都の妖しい話
「黒矢…ちょっと離れろ。…紫遙…俺はお前の兄として天に変わってお前を滅する…!」

「!!」

「は、白華…。」

「お前の罪をここで終わりにしてやるよ。」

白華は瞬く間に変し変化した。

「……」

「きゃっ…。」

紫遙も虎へと姿を変えた。

「姫、こちらへ…。」

「で、でも…。」

「早く!」

黒矢が叫んだ途端、どちらからともなく妖怪姿の兄弟はお互いに飛びかかった。
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