奈良の都の妖しい話
「…儂の腹違いの兄である故帝の嫡男…孝春親王だ。」

「それでは、降嫁ではなく…」

「…入内だ…。」

「えっ…。」

「不満なのか?確かに親王はそなたより三つ年下だが、元服すれば東宮になるだろうし、そなたが皇子を産めば皇太后になれる。」

「しかし…。」

「もう、決まった事だ。」

「……。」

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