奈良の都の妖しい話
「姫様、宮様がお呼びです。」

「はーい。」

「美羽子、実はなお前の姉紗那衣が嫁ぐことになった。」

「えっ!本当ですか?」

「ああ。相手は儂の腹違いの弟。そなたらの叔父だ。紗那衣はあれより十ほど下だが幼い頃から馴染んでおるし、大丈夫だろう。」





(紗那衣姫は私にとって唯一の同腹の姉で私より七つも年上だったけど末妹の私を可愛がってくれた。)
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