いぢわるなアイツ上
あのことがあってから、蓮兄とはあんまり喋ってない。ってか私が避けてるだけなんだけどね。
「はぁ……」
「どうしたんだ?暗い顔して」
爽やかに笑いながら頭を撫でるのは
「有兄。大丈夫だよ!心配しないで」
「ならいいけどさ、なんかあったら相談しろよ」
「ありがとう」
居心地がいいな。でも頭によぎっているのは蓮兄………。
どうしちゃったんだろ…。
最近の私おかしいな?
はぁぁ…。

「おい。姫」
「きゃっ!……れっ、蓮兄?!」
「お前俺のこと避けてんだろ?」
「避けてなんか…。」
図星をつかれて目を逸らしちゃった。
怒ってるよね…絶対。
「ごめん…蓮兄」
「なんでお前が謝るんだよ…。」
ギュッて抱きしめてきた。まただ。
またドキドキしている
蓮兄に触れただけで、声を聞くだけで、
胸がキューっと締め付けられて
熱くなる。おかしいな?病気?


寝るときもずっとドキドキしていて、
眠れなかった。
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