☆2人の正反対王子様★1#
俊 side
体育館の脇の廊下を通って
結衣のもとへと向かう俺。
その途中で声がした。
「・・・・・・和哉くん?」
ん?
結衣の声か?
俺が聞いたことのないような
弱々しくて女らしい声。
それは俺に群がり女子のような
甘ったるい声ではなく、
愛しい人を呼ぶ切ない声だった。
和哉くんと呼ばれた先には
金髪のヤンキー。
あんなヤツがまさか
・・・・・・・・・・・彼氏?
なわけないよな?
しかし、金髪ヤンキーは
「知らね。お前ら遊べば?」
はっ?
なんだ、アイツ(怒
いたたまれなくなったが
結衣が泣きそうなのが見えて
動けなくなった。
あの2人がやけに
お似合いに見えるのが
気に入らなかった。
俺なら結衣を
泣かせないよ?
「なんでよ!?
・・・・・・あたしのこと
嫌いなくせに....。
中途半端に優しくしないで」
泣きながら
そこから走り去る結衣。
すぐに探しに走ったが
見つからずあきらめかけていると
中庭の方から
「うぅ・・・グスン//」
結衣?
泣いてんのか?
行ってみると
縮こまって泣きじゃくる結衣。
不謹慎ながらも
可愛いと思う俺。
我慢できなくなった俺は
小さな小さな子猫ちゃんを
そっと包み込んだ。