☆2人の正反対王子様★1#
そして...放課後。
ホームルームが終わった瞬間、
あたしは教室を出ようとした。
すると高宮が
「結衣!・・・・・どっか行こ」
無理。
あたしは和哉くんに
会いに行くんだから。
―――ってかさ?
「なんで呼び捨て?」
ずーっと思ってたの。
なんか慣れたからスルーしてたけど。
「なんだよ・・!だめかよ・・・。」
あまりに悲しそうな顔をするから。
「呼んでよ・・・・!!」
あたし、何言っちゃってんの?
「はっ?・・・・訳わかんね」
少し高宮の顔が赤い気がするのは
あたしだけ?
「でどうなんだよ?」
あー、放課後でしょ?
「ごめん、和哉くんとこ行く」
すると
また一瞬、悲しそうな顔をして
すぐ笑顔になって
「そっか・・!!行ってこい」
優しいよ・・・。
こんなにいいヤツは
奈々くらいだよ?
「うん・・・・行ってくる」
あたしは教室を
飛び出した。
あたしは知らなかった。
俊くんがこの時に悩んでたなんて。
早く気づけばよかった。
ねっ、俊くん。