☆2人の正反対王子様★1#

結衣 side

下駄箱についた。
和哉くんは・・・・・まだいない。


あたしは靴をとり、
鏡で髪を整えながら待っていた。


すると
ネクタイの色が・・・赤の生徒が
近づいてきた。


赤は・・・・三年?


「女の子っ☆
今からいいことしに行こーよ」


うわ、キモイ
やだ、やだ

肩を急に抱いてきた。
怖いよ、怖い


足を引っ張られていった。
怖くて怖くて足が動かない。


それを肯定ととったのか
「うーん、どこがいいかなぁ☆」

ニヤニヤしながら
うれしそうに歩く。




もうだめだ、と思ったその時、
「おい・・・」
低く、今まで聞いたことのない
ような声が後ろからした。



「なんだよ」
少し強気な三年。
あたしの肩をつかんだまま、
話し続ける。



「そいつ、俺の女なんで
返してくれません?」


話し方は確かに敬語だけど
ピリピリしてる。



ていうか
俺の女って・・・。


「んだよ、彼氏持ちかよ」

蹴ったるそうに帰る三年。
それまで踏ん張っていたせいか、
足がすくんで座り込んだ。




そして、
溢れんほどの涙が頬を伝った。


「うぅ・・グスッ//」

すると和哉くんは
優しくあたしを抱きしめた。


「わりぃ、守れなくて・・・」


寂しげにあたしの頭の上で
悲しそうな声で話した。



ううん、
でも...なんで?
なんで守ってくれたの・・・?



嫌いなんでしょ?
嫌いだから、、離れたんでしょ?


無駄に優しく....しないで。

「いいから、、行こ?」


和哉くんは顔をゆがませながら
うなずいた。
< 29 / 104 >

この作品をシェア

pagetop