メモリーズ~I
~俊哉said~
華野との電話を終わってから。
なんか満足いかない。
会って渡したいものがある・・・会いたい。
その気持ちが大きすぎて・・・
バランスを崩しながらも
玄関へ向かう。
「俊哉・・・どこに行くの?
風邪引いてるのに・・・」
「お母さんッ。ゴホッー。
大切な人に・・・会いにいく・・・。」
「ダメよッー。」
「お願い・・・ゴホッ、行かせて・・・。」
「俊哉・・・すぐ帰ってくるのよ?」
「あ・・・りがと・・・」
俺は走った。
華野に会いたくて、華野にどうしても
会いたいから・・・・。
咳をこみながらも走った。
「華野ッ、ゴホッゴホッ・・・」
信号待ちになった。
「華野・・・・華野・・・クシュンッー、はぁ・・・・」
寒い、冷たい体を 温めようと必死にさする。
「さみい~」
そのとき青になった。
「よし、青だ。」