メモリーズ~I



「これはね、あの日 俊哉があなたに
あげるために一緒に持っていったものらしいの。

この指輪・・・。」



「あたし・・・・に・・・」



「そう。大切な人に会いに行くって
そう言ってね。」



「俊哉があたしに・・・会いに。?」




あの日の電話の後の俊哉のことを

 俊哉のお母さんは話してくれた。





「俊哉は・・・・そのときに・・・

交通事故で・・・?」



「そうなの。」




あたしは・・・自分を責めた。


あの時 あたしが会いにいけば
会いにいくよっていったら。

俊哉は・・・・事故なんかに
あわずにすんだのに・・・・。




「俊哉は、自分の一生をあなたに
ささげる気でいたのね。

華野ちゃんと出逢って、一番幸せだったのは
俊哉なんじゃないかな~」




「お母さん・・・・」



俊哉のお母さんは、俊哉と似て
優しいことを言う。


たまに、俊哉のお母さんと一緒にいると

 俊哉が傍にいるって・・・

思ってしまうんだ・・・・。
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