メモリーズ~I
「あたしはただ、幸せが続けばそれで
よかったんだ・・・・・。
俊哉が隣にずーっといてくれるって、
そうずっと思ってたから。
急にあたしの前からいなくなるって
想像もしてなかった・・・。
突然すぎて・・・・・。
突然すぎてッー。」
あたしの手を引いて、俊哉は自分の胸元に引き寄せた。
あたしの背中に回ってる俊哉の手の力が強い。
息ができないくらいぎゅって抱きしめて。
「ごめん、
ごめん。」
そう俊哉はあやまり続ける。
「でも、俺は・・・・満足してるんだ。」
満足?
何それ・・・・・・。
「まだ、やり残してること、
いっぱいあるじゃん。」
「いっぱいあるよ。」
「だったら何でッー・・・・。」
「俺の葬式のとき。
俺の頬に、キスを落としてくれた。」