メモリーズ~I



「もう、泣かないで。」



俊哉が言った。




「だけど、いまから笑って
高校生活過ごすなんて・・・

あたしはムリだよ・・・。」






 そう言うと、俊哉の手が、あたしの頬に触れた。





「俺は、いつでもずっと
華野の傍にいるよ?」





「どうやって、俊哉を傍で感じるの?

どうやって。」








「俺と、華野の指輪。」





「え・・・・・」



「俺と、華野の指輪を、ペアリングにして。

そしたら俺が、華野の傍にいる証拠。」




「ペアリング・・・・。」





「俺の愛は一生変わらない。

けど、華野はいつか、誰かの綺麗なお嫁さんになるんだ。

だから、華野がそれまで寂しくないように。

笑顔で、いい日々が送れるように。

願っているよ・・・・・。」
< 132 / 377 >

この作品をシェア

pagetop