メモリーズ~I
純の過去
「じゅ・・・ん?」
「ぼくが ちっちゃい時に 天国に行ったんだ。」
純は涙ひとつ見せずに、自分のお母さんの事を話した。
けど、純の肩は震えてる。
「純ッー。」
あたしは、純の家族のことを知ったとき、
純を抱きしめたくなった。
ギュって、強く。
純を抱きしめた。
「純・・・・辛かったでしょ・・・。」
まだ体の小さい純は すっぽり
腕の中におさまった。
こんなに細いからだ。
まだ、幼稚園生なのに。
お母さんのぬくもりも
愛情も、全部 感じられないなんて。
「でもね、ぼく・・・・もう寂しくなんかないよ。」
純は笑顔でそう言った。
「どうして?」