メモリーズ~I
「純、散歩に行こうか。」
「うんっ!!」
元気な声で答える純。
「行ってきま~す。」「いってきま~す」
「純、手繋いで。」
「は~い」
桜の舞うところで手を繋いであるく。
本当の兄弟になったみたいで
あたしは嬉しかった。
「ぼくは、もう少しで一年生~」
はしゃぐ純。
「華野姉ちゃんも、高校生になるの?」
「そうだよ~。可愛い高校生になるの」
「ぼくは、かっこいい一年生だよ~」
あたしは何となく空を見上げた。
青い空に白い雲。
空気を深く吸うと、美味しい。
「俊哉。」