メモリーズ~I
さっきから、美沙が怖い・・・。
あたしの隣の席。
「美沙・・・?」
「ん?な~に?」
美沙がずーっと笑ってる。
イヤ、にやけてる?
「なんか、いい事あった?」
「あったりまえー」
あったんだ。
「んじゃ、そのいい事ってやらを
聞かせてよ。」
「華野はもう知ってるよ~」
「え・・・?何を・・・。
イヤ、知らない知らない。」
「なによ~もう!
恥ずかしいな~」
そう言って 肩の後ろをバチバチ
叩いてくる。
「痛い、痛い。」
「はぁ~翔人くんっー♪」
美沙が口にした名前。
あたしがさっき出逢った人。
「東大翔人」だった。