メモリーズ~I


「やだ。」



「返してってば~」


あたしは必死に手紙を取ろうとするけど

翔人が高いところに手紙を持ってく。



必死にジャンプするあたし。


届かない・・・。




「は~もういいよ。」


諦めた。あんな高い人の
長い手に持たれてるものを
あんな高いところに手紙をもってかれたら

あたしの手が届くわけないから。




「美沙、行こう」


あたしは機嫌が悪かった。



「何よ、あいつ。
超ーむかつく。」



「・・・・・・・」



美沙が黙ってる。



「美沙・・・?

どうかした?」



「・・・・ううんっー。なんでもない」



笑顔に戻った。




「手紙くれた人に申し訳ないな~。」



「そだね。」



「どうしよう・・・。」
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