メモリーズ~I



唇に色がないよ。


ぜんぜん動かないよ。




「み・・・・さ・・・?」




当然・・・・返事もないまま。









「なんでっ・・・・・・


なんでよっー・・・・。



どうして急にいなくなるのよ。


なんで人生を終わらすのよ。


まだ美沙はやることいっぱいあるよ。


恋だって、勉強だって、

結婚だってまだあるんだよ?

それに・・・あたしだって

おかしくなりそうだよ・・・。」




頬に伝う・・・・涙。




「ああああああああああっー。

 ぅアアアアアアあっー。」



あたしは叫んだ。


なにも考えずに・・・・・叫んだ。




叫ぶあたしを胸の中で強く抱きしめる翔人。



ただ・・・・ずーっとあたしを抱きしめてくれた。


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