メモリーズ~I
それも仕方ない。あんな上手く進んでいたのに
あたしが 急にこんなになったから。
ゴメン、ごめんね・・・。
「俊哉。」
「うん?」
「あたし。 今、とても
大変なんだ・・・。だから
学校にも 今は行けない。
学校に来いって言われて
今は近所のおばさんのとこに
いるけど・・・。
気が重くて。行けない」
たった それだけで?
って 俊哉は思うでしょ?
それも そうだよね。
あたしのわがままで
学校をやすんでるから・・・。
でも、俊哉は逆に
あたしに励ましを送った。
「華野が大変って
分かるよ。」
「え? なんで?」
「華野の顔に 笑顔がないよ。
涙の後しか・・・・・残ってない。」
「さっき泣いたからだよ」
あたしは 笑いながら言った。
どうしてかな。 俊哉と目が合わせられない。
俊哉は真っ直ぐ あたしを見ているだろう。
視線を感じる。 目が俊哉を 見れない・・・。