メモリーズ~I
「危ないわよ~」
「あ、ごめん。」
お母さんはりんごの皮を
むいてる途中だった。
「りんご 食べる?」
「うんッー!頂戴ッー。」
「はいはいッ」
優しい瞳で笑うお母さんの笑顔。
あたしは見ているとつい
笑顔になる。
「はい。りんご。」
「ありがとう。」
あたしは 一口食べると
涙が出てきた。
おかあさんが
恋しくて、早く元気になってほしかった。
その想いが 多分いきなり
込み上げて・・・・
涙にかわったのだろう。
「グスッ・・・・・おいし・・・。」
お母さんは・・・泣くあたしの頭を
なでながら一言いった。
「あなたに寂しい思いをさせて ごめんなさい。」