メモリーズ~I



ゆっくり階段をのぼって
教室へ向かう 廊下をあるいてた。





「華野・・・・・・?」



前から声がする。


  美沙の声・・・・。




「かのーーーーーーッ!」




あたしの名前を呼びながら走ってくる美沙。




ぎゅっとあたしを抱きしめる。


「会いたかったよ・・・。華野」




「あたしも。会いたかった。

心配かけてごめんね?」



「もう、心配したんだからッー。」


美沙は涙を溜めていた。


「でも、華野の彼氏さんから
聞いたよ。
華野は今、大変な思いをしてるから
君は華野の帰りを待ってて?ってさ」



俊哉が・・・。そんなことを。



「華野は、いろんな人に支えられてるんだよ?
だから、一人で全部抱え込まないで?
親友のあたしも 頼って?」




  そうだね。そうだよ。
あたしは、幸せなんだ。
  いろんな人から 支えてもらってる。


 だから、一人で抱え込んで、笑顔を無くしてしまうことは
ないんだ・・・・。


「ありがとう。美沙」
< 55 / 377 >

この作品をシェア

pagetop