メモリーズ~I
ゆっくり階段をのぼって
教室へ向かう 廊下をあるいてた。
「華野・・・・・・?」
前から声がする。
美沙の声・・・・。
「かのーーーーーーッ!」
あたしの名前を呼びながら走ってくる美沙。
ぎゅっとあたしを抱きしめる。
「会いたかったよ・・・。華野」
「あたしも。会いたかった。
心配かけてごめんね?」
「もう、心配したんだからッー。」
美沙は涙を溜めていた。
「でも、華野の彼氏さんから
聞いたよ。
華野は今、大変な思いをしてるから
君は華野の帰りを待ってて?ってさ」
俊哉が・・・。そんなことを。
「華野は、いろんな人に支えられてるんだよ?
だから、一人で全部抱え込まないで?
親友のあたしも 頼って?」
そうだね。そうだよ。
あたしは、幸せなんだ。
いろんな人から 支えてもらってる。
だから、一人で抱え込んで、笑顔を無くしてしまうことは
ないんだ・・・・。
「ありがとう。美沙」