メモリーズ~I
「お父さんが・・・・」
「あたしは 泣いてる場合じゃないなって
また元気を取り戻して あなたに愛情をいっぱい
捧げたつもりよ。愛情は届いたかしら?」
「う・・・ん」
あたしは頭を縦にふった。
「良かった。
そしてある日、大雨の日だったかしら。
そんな夜に お父さんの帰りが遅かったの。
心配になってると 一本の電話がきたの。
病院からだったわ。
いやな予感がしたわ。
「浅咲 透さんの家族でしょうか」
って聞かれたの。
はいって応えると。
「先ほど事故で救急車で運ばれてきたのですが
息を引き取り お亡くなりになりました」って・・・・・。」
涙を流して喋るお母さん・・・。
「もういいよ。
お母さん。 泣かないで。
でもね、あたしが知りたいのは。
どうしてアルバムのお母さんのことを
教えてくれなかったのかが知りたいの。」
少ししてお母さんは泣き止んだ。
そして。
「あなたに・・・・・お母さんって
呼んで・・・・もらえなさそうで・・・・
ごめんなさい。」
こう言った。