愛してるの印

私の初恋


 「ねぇーちゃーん!!!!!!」
 
 階段から駆け下りてくる弟が大きな声で叫んだ。

 「うるさいっ。何。」

 弟は息を切らして私を指差した。

 「なぁ、何時間目?!ってか何年目?!」

 「う・・・うるさいなぁ。」

 私は少し照れてそっぽを向く。

 「ねぇー。かぁーちゃ・・・。」

 私はお母さんを呼ぼうとする弟の口を押さえた。

 危なかった・・・。

 「ねぇ。言ったら殺すよ。殺害だよ?!いいの?」
 
 「やだけどさぁー・・・。」

 弟はそっぽを向いて頬を膨らませた。

 「あと、五分だけだよ。」

 小さい弟の背中に私は『ありがとう』とつぶやいた。
 
< 6 / 7 >

この作品をシェア

pagetop