蒼色のヴァンピール
「え?ああ…」
莉華の不躾な質問にも、兎南は笑顔を崩さずに答えた。
「父がドイツ人なの。瞳の色だけ遺伝しちゃったみたい」
なるほど。
ハーフなら尋常じゃない美人度合いも、瞳の色も頷ける。
1人で納得していると、いきなり莉華にこずかれた。
「ちょっと、蒼!何ぼーっとしてんの!?さっさと行くよ!!」
「あー、はいはい」
適当に相づちを打って、莉華と兎南の後を追う。
あー、面倒くさい。
今更になって、本気で嫌になってきた。
俺がこっそりとため息をつくと、振り向いた兎南がその様子を見てクスリと笑った。