蒼色のヴァンピール
馬鹿馬鹿しいとは思いつつも、俺も何となく話の続きが気になって、聞き耳を立てた。
「え、で、そのヴァンパイアってどんなのだったの?てか、いつどこでみたのよ?」
「ほら、この間隣町で事件が起きたじゃない?その人、その近辺に住んでる人らしくて、当日女の人が襲われる場所に出くわしちゃったんだって!」
「えー、災難。で?」
「うん、それでね。真っ赤なミニドレスを着た背の高い髪の長い女が、女の人に襲いかかってたんだって!それで、怖くなって逃げ出したって!!」
「やだぁ、怖いー!!」
女子高生軍団の話は、それからコロコロ話題が変わって、もうヴァンパイアの話はしなくなった。
「赤いミニドレスの髪の長い女、か。うん、いかにもって感じ」
莉華は手帳にメモをしながら頷いた。
俺はそれを見て、ため息をつく。