蒼色のヴァンピール
 
馬鹿馬鹿しいとは思いつつも、俺も何となく話の続きが気になって、聞き耳を立てた。


「え、で、そのヴァンパイアってどんなのだったの?てか、いつどこでみたのよ?」


「ほら、この間隣町で事件が起きたじゃない?その人、その近辺に住んでる人らしくて、当日女の人が襲われる場所に出くわしちゃったんだって!」


「えー、災難。で?」


「うん、それでね。真っ赤なミニドレスを着た背の高い髪の長い女が、女の人に襲いかかってたんだって!それで、怖くなって逃げ出したって!!」


「やだぁ、怖いー!!」


女子高生軍団の話は、それからコロコロ話題が変わって、もうヴァンパイアの話はしなくなった。


「赤いミニドレスの髪の長い女、か。うん、いかにもって感じ」


莉華は手帳にメモをしながら頷いた。

俺はそれを見て、ため息をつく。



< 18 / 21 >

この作品をシェア

pagetop