蒼色のヴァンピール
「すんなり信じるなよ。たかが噂だぞ?」
「たかが噂、されど噂でしょ?」
コイツには何言っても無駄か。
俺は諦めて、兎南に助けを求めた。
「兎南も何とか言ってくれよ。コイツ、一つのことに夢中になると、周りが見えなくなるんだよ」
「それは、ちょっと問題かもね。…でも、噂には99%の嘘と、1%の真実が隠れているって知ってる?」
「ほぉらね!兎南さんは私の味方だもんね!」
莉華は兎南の言葉に乗っかって、嬉しそうにはしゃいだ。
「…兎南、そういうこと言うと、莉華の奴が調子に乗るんだって!莉華もさぁ、考えてみろよ。さっきの噂が99/1のわけねぇだろ?」
「そんなの分からないじゃない、ね、兎南さん?」
莉華の問いかけに、兎南は曖昧に頷いて笑った。
「とにかく!明日から張り込み開始するわよ!!」
「はぁ!?」
またしても突飛な発言に、思わず突っ込みたくもなる。
まったくコイツは次から次へと…。