蒼色のヴァンピール
「何だよ張り込みって?」
「だから、赤いミニワンピの怪しい女を街で捜すの!絶対スクープ狙うんだから!!」
「それって俺も…」
「もちろん参加に決まってるでしょ?兎南さんも来るよね?」
莉華の馬鹿げた提案を、兎南は何故かすんなり受け入れた。
信じられない。
美人だけど、変人だ。
絶対、どこかおかしい。
とはいえ、ここで俺が抜けたら、常識人がいなくなるということで。
万が一、赤いミニワンピの女が、吸血鬼うんぬんは置いておいて、連日の殺人事件の犯人だったとしたら、非常に危ない気がする。
「ったく、仕方ねぇなぁ…」
結局、承諾してしまう自分に本気で嫌気がさす。
そんな俺の心中など知らずに、莉華は生き生きとやる気をみなぎらせていた。