君・恋・スマイル~初恋~
思音が人を疑うなんてよっぽどのことだ。

本当に凜が好きなんだね。

私はとどめの一言を言った。

「思音は私の大親友だもん!ね?」

私はにっこり笑う。

思音はうん!とつられて笑うかと思ったから。

でも思音の言葉は違った。

「・・・がう・・。」

「え・・・?」

「違うよ!」

思音のどなり声を聞いて、私は固まる。

「真衣ちゃんは思音の恋に協力なんかしてない!」

「思音・・・・!?」

思音の目は悲しそうな目から、怒りへと変わった。

「真衣ちゃんはいつもそうだ!思音の気持ちなんかどうでもいいんでしょ!?」

「そんなことないよっ・・・!」

「真衣ちゃんはいい子でっ・・・いつも笑ってて。でも、思音はっ」

思音は短く息を吸うと涙をこぼした。
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